結論

関連する言葉は、性自認・性表現・性的指向・業態の4つに分類できます。同じ人に複数が当てはまることはありますが、それぞれ説明している内容は別です。

4つの分類軸

この分野の言葉は、次の4つのどれについて語っているかで分けられます。混乱の多くは、別の軸の言葉同士を比べようとすることから生じます。

言葉を分類する4軸

  1. 性自認自分の性別をどう認識しているか
  2. 性表現装いや振る舞いをどう選ぶか
  3. 性的指向誰にひかれるか
  4. 業態どんなサービスの分類か

性自認に関する言葉

トランスジェンダー――出生時に割り当てられた性別と、自認する性別が異なる人。トランス女性――そのうち女性として自認する人。MTF――Male to Female の頭字語で、医療・支援の文書で使われてきた表現。ノンバイナリー・Xジェンダー――男女どちらにも当てはまらない性自認。

これらは装いや職業を示す言葉ではありません。詳しくはトランス女性MTFをご覧ください。

性表現に関する言葉

男の娘――女性的な装いや表現に関して使われる呼称。2000年代以降の創作・ネット文化から広まった。女装――服装を変える行為そのもの。女装子――女装を楽しむ人の自称。クロスドレッサー――英語由来の中立的な言い方で、男装も含む。ジェンダーレス――男女の固定的な区分に縛られない装いのスタイル。

いずれも性自認を示す言葉ではありません。男の娘とは女装子で詳しく扱っています。

性的指向に関する言葉

ゲイ――主に男性にひかれる男性。レズビアン――主に女性にひかれる女性。バイセクシュアル――複数の性別にひかれる人。クイア――既存の枠に収まりきらない立場をまとめて表す語で、歴史的には侮蔑語だった経緯がある。

業態に関する言葉

ニューハーフ――日本の接客・芸能文化から広まった呼称で、職業寄りの語。売り専――男性キャストが男性客を接客する業態の俗称。メンズエステ――男性向けエステ・リラクゼーションの略称。

これらは業態やサービス分類を示すもので、そこで働く人の性自認や性的指向を示すものではありません。1対1の比較は違い一覧にまとめています。

この分類の使い方

複数の言葉が同じ人に当てはまることは珍しくありません。たとえば、性表現として男の娘を名乗り、性的指向としてはゲイであるという組み合わせはあり得ます。矛盾ではなく、別の軸の話だからです。

逆に言えば、ひとつの言葉から他の軸を推測することはできません。この分類は、何が分かって何が分からないかを整理するためのものです。

「男娘」という表記を見かけた場合は、「男娘」は誤字?「男の娘」との表記の違いで整理しています。

よくある質問

男の娘とトランス女性はどう違いますか?

分類の軸が違います。男の娘は性表現に関する呼称、トランス女性は性自認に関する言葉です。同じ人に両方が当てはまることもありますが、説明している内容は別です。

ニューハーフは性自認の言葉ですか?

いいえ。日本の接客・芸能文化から広まった職業寄りの呼称です。すべてのトランス女性が使う言葉でもありません。

どの言葉を使えば失礼になりませんか?

本人が名乗っている呼称をそのまま使うのが最も確実です。分からないときは属性名を推測せず、名前で呼んでください。

複数の言葉が当てはまることはありますか?

あります。性表現として男の娘を名乗り、性的指向としてはゲイであるといった組み合わせは矛盾ではありません。別の軸の話だからです。